前回の記事「Pixel 7a膨張からPixel 9a駆け込み購入まで――irumo終了とMNP施策の記録」では、Pixel 7aのバッテリー不具合を契機としたPixel 9a購入までの経緯をお伝えしました。本記事はその続編として、ドコモの「いつでもカエドキプログラム」を利用したPixel 7a返却の実際の体験を記録します。
いつでもカエドキプログラムとは
ドコモの「いつでもカエドキプログラム」は、対象端末を24回の分割払いで購入し、1か月目から23か月目までのいずれかのタイミングで端末を返却することで、残債の支払いが不要になる購入サポートプログラムです。実質的には2年間のレンタル契約に近い形態で、月々の負担を大幅に軽減できる仕組みとなっています。
プログラムの基本的な流れは以下の通りです。まず購入時に24回払いで契約を行い、その後任意のタイミングで返却の申し込みを行います。返却時には端末の状態審査があり、故障やケースへの入れ忘れによる大きなキズがないことが条件となります。審査に通過すると、その翌月以降の分割払いが免除される仕組みです。返却せずに24回払いを完了した場合は、通常の分割購入と同様に端末の所有権が購入者に移ります。
返却の背景
Pixel 9aを入手した後、修理から戻ったPixel 7aは手元に残る形となりました。バッテリー膨張は解決されたものの、すでに新機種への移行が完了していた状況で、Pixel 7aを継続利用する理由は薄れていました。ちょうど8月がいつでもカエドキプログラムの契約期限であったため、返却による残債免除を検討することが現実的な選択でした。
返却のメリットとしては、残りの分割払いが免除されることで金銭的負担が軽減される点が挙げられます。一方で端末を手放すことになるため、サブ機としての利用や下取り時の査定額との比較検討が必要でした。しかし、Pixel 7aの中古市場価格と残債額を比較した結果、返却による免除額の方が有利であると判断しました。
返却手続きの流れ
返却手続きはドコモオンラインショップから開始できます。「いつでもカエドキプログラム」の利用申し込みページで、対象機種を選択し、返却理由や端末の状態を入力します。手続き完了後、返却用のキットが指定住所に送付される流れとなります。
返却キットにはレターパックプラス(赤い封筒)が含まれており、端末を適切に梱包するためのプチプチ(エアキャップ)も同梱されています。返却時の注意事項としては、SIMカードの取り外し、端末の初期化、付属品の同梱(充電ケーブル等)が必要です。また、端末に目立つキズや故障がないことを事前に確認しておく必要があります。
梱包は意外と簡単でした。プチプチで端末を包み、レターパックプラスの封筒に入れるだけです。付属の充電ケーブルも一緒に梱包しました。封筒には返送先住所が印刷されており、追加の宛名記入は不要でした。重量も封筒の上限内に収まるため、追加料金の心配もありません。
ローソンでの発送体験
返却キットの準備が完了した後は、郵便局またはコンビニエンスストアでの発送手続きを行います。筆者は普段利用している近所のローソンを選択しました。レターパックプラスはコンビニでも受け付けてもらえるため、郵便局の営業時間に合わせる必要がなく便利でした。
店員さんに「レターパックプラスをお願いします」と伝えると、慣れた様子で受け取り処理を行ってくれました。レターパックプラスは追跡番号が付与されるため、後日配達状況を確認することも可能です。発送手続きは数分で完了し、控えの伝票を受け取って終了となりました。
興味深いことに、返却手続きを行った時期には、Amazonの返品もローソンで受け付けるサービスが開始されていました。これまでAmazonの返品は宅配業者への集荷依頼や営業所への持ち込みが必要でしたが、コンビニで手軽に返品できるようになったのは利便性の向上と言えます。スマートフォンの返却とAmazon返品を同じ店舗で処理できる時代になったことに、なんとなく感慨深いものがありました。
帰り道には、ローソンでカフェラテとコーヒーを購入しました。最近のコンビニコーヒーは品質が向上しており、特にローソンのカフェラテは濃厚でおいしく、ちょっとした贅沢を感じることができます。返却手続きという事務的な用事の後の、小さな楽しみでした。
返却キットの使い勝手と過去の経験
今回使用したレターパックプラスは、実は端末の返却や下取りで何度か利用した経験がありました。各キャリアや中古買取業者が提供する返却キットの多くが、同様のレターパック形式を採用しています。慣れた方式であっても、毎回「本当にこれで正しく届くのだろうか」という一抹の不安を感じるのは、おそらく多くの人に共通する心理でしょう。
レターパック自体は郵便局が提供する信頼性の高いサービスですが、高価な電子機器を封筒で送ることに対する心理的なハードルは、どうしても残ります。過去の利用でトラブルが発生したことはありませんが、毎回同じような不安を感じながら発送しているのが実情です。それでも手続きの簡便性や追跡機能を考慮すると、現在の返却システムは合理的であると評価できます。
ドコモからの連絡と現況
返却から一定期間が経過していますが、現時点でドコモからの特段の連絡は届いていません。通常、端末の状態審査に問題がない場合は、自動的に残債免除の処理が行われます。審査で何らかの問題が発見された場合は、追加の連絡や負担金の請求が発生する可能性がありますが、今のところそうした連絡はありません。
月々の請求書やオンラインアカウントで分割払いの状況を確認することは可能ですが、日常的に詳細をチェックする習慣はありません。おそらく次回の請求時期に、残債免除が反映された金額が表示されることになるでしょう。連絡がないということは、審査が順調に完了したと解釈するのが妥当だと考えています。
このように、いつでもカエドキプログラムの返却プロセスは、基本的には利用者側が能動的に状況を確認する必要があります。キャリア側からの積極的な状況報告はあまり期待できないため、気になる場合は自分で問い合わせる必要があります。ただし、問題がなければ自動的に処理が完了するシステムであるため、過度な心配は不要でしょう。
プログラム利用の留意点
いつでもカエドキプログラムを利用する上で注意すべき点をいくつか挙げておきます。まず、返却時期の選択が重要です。早期に返却するほど免除される金額は大きくなりますが、代替機を用意する必要が生じます。逆に返却を遅らせると免除額は減少しますが、端末を長期間利用できます。
端末の状態管理も重要な要素です。返却時の審査で故障や著しいキズが発見されると、追加の負担金が発生する可能性があります。そのため、プログラム利用を前提とする場合は、購入時からケースや画面保護フィルムの使用を検討すべきでしょう。また、水濡れや落下による内部故障にも注意が必要です。
プログラムの契約条件や免除額は、購入時の価格設定や市場動向によって変動します。特に新機種発売時期や年末年始などは条件が変更される可能性があるため、利用を検討している場合は早めの手続きが推奨されます。また、機種変更のタイミングとプログラム利用のタイミングを適切に調整することで、より効果的な活用が可能になります。
所感とまとめ
筆者のPixel 7aには側面に軽微な傷があり、背面パネルも無事とはいえ歪んだ過去があります。背面はともかく、側面の傷に関してはあまり問題視しなくとも良さそうな印象です。
今回のPixel 7a返却体験を通じて、いつでもカエドキプログラムの実用性を改めて確認することができました。手続きの簡便性、返却キットの使いやすさ、コンビニでの発送対応など、利用者の利便性を考慮したシステム設計がなされています。一方で、返却による端末の手放しや、審査結果への不安など、プログラム特有の課題も存在します。
スマートフォンの購入方法は、従来の一括払いや分割払いに加えて、こうしたプログラム型の選択肢が一般化しています。利用者は自身の使用パターンや経済状況に応じて、最適な購入方法を選択する時代になったと言えるでしょう。ただし、各プログラムの条件や制約を十分に理解した上で利用することが重要です。
最終的に、今回の返却体験は特に大きなトラブルもなく完了しました。これは記録として残しておく価値があると考え、本記事としてまとめることにしました。同様のプログラムを利用している方や、利用を検討している方の参考になれば幸いです。
なお、ローソンでのAmazon返品受付開始など、コンビニエンスストアの機能拡充も興味深い変化でした。デジタル機器の返却からネット通販の返品まで、同じ店舗で処理できる利便性は、現代の消費行動の変化を象徴していると言えます。こうした小さな変化も、日常生活の質的向上に寄与していることは間違いありません。