Under the Snow
ホーム API ステータス About お問い合わせ
ホーム API ステータス About お問い合わせ
  1. ホーム
  2. >
  3. Tech
  4. >
  5. Linux MintでEIOTCLUBカードリーダーを使う|Wine環境構築からアプリ起動まで完全ガイド【2025年最新】

Linux MintでEIOTCLUBカードリーダーを使う|Wine環境構築からアプリ起動まで完全ガイド【2025年最新】

2025年10月15日 • 3分で読める
Tech
Linux MintWineEIOTCLUBeSIM物理eSIMカードリーダーLinuxUbuntu

以前、EIOTCLUB物理eSIMで楽天モバイルを使う方法やWinboatでeSIMリーダーアプリを動かそうとして失敗した話でEIOTCLUBの物理eSIMについて紹介しました。

これまではWindows環境でカードリーダーアプリを使用していましたが、メイン環境をLinux Mintに移行したため、Wine上でEIOTCLUBのeSIMリーダーアプリを動作させる必要がありました。

本記事では、Linux Mint(Ubuntu/Debian系ディストリビューション)にWineをインストールし、EIOTCLUBカードリーダーアプリを動作させるまでの全手順を記録します。

この記事で扱う内容

  • Linux MintへのWine環境構築
  • WineHQ公式リポジトリの追加方法
  • EIOTCLUBカードリーダーアプリのインストール
  • デバイス認識とトラブルシューティング
  • 実際の使用感とパフォーマンス

前提条件

環境

  • OS: Linux Mint 21.3 (Ubuntu 22.04ベース)
  • アーキテクチャ: x86_64(64bit)
  • デスクトップ環境: Xfce

必要なもの

  1. EIOTCLUB eSIMカードリーダー
  2. EIOTCLUB物理eSIM
  3. 管理者権限(sudoコマンドの実行権限)
  4. インターネット接続
EIOTCLUB 世界eSIMツールキット カードリーダーとeSIMカードのセット

【世界eSIMツールキット】eSIMカード + カードリーダーセット

※価格・在庫はリンク先をご確認ください。カードリーダーと物理eSIMのセットです。

Amazonで見る

本ページはアフィリエイト広告を利用しています。As an Amazon Associate I earn from qualifying purchases.

Wine環境のセットアップ

Wineとは

Wine(ワイン)は、「Windows APIを通じて、64bitのUnix系OSの上でWindowsアプリをネイティブ動作させる」ソフトウェアです。

Linux Mintには、Wine をインストールするためのパッケージが用意されています。

Wineのインストール

Linux Mintでは、wine-installer パッケージを使用することで、必要な依存関係を含めて簡単にWineをインストールできます。

sudo apt update
sudo apt install wine-installer

インストール中、依存関係として多数のパッケージ(32bitライブラリなど)が自動的にインストールされます。

インストールの確認

wine --version

バージョン情報が表示されれば、インストール成功です。

wine-9.0 (Ubuntu 9.0~repack-4)

Wineの初期設定

初回起動時、Wineは自動的に設定を行います。

winecfg

Wine設定ウィンドウが表示されます。この段階で以下が自動的に作成されます:

  • ~/.wine/ ディレクトリ(Windowsファイルシステムの擬似環境)
  • レジストリファイル
  • 基本的なWindows DLLファイル

設定ウィンドウで確認すべき項目:

  • Windowsバージョン: Windows 10 を推奨
  • グラフィックス: デフォルトのまま

日本語フォントのインストール(文字化け対策)

Wineで日本語が文字化けする場合、winetricksを使用して日本語フォントをインストールします。

winetricksのインストール

sudo apt install winetricks

日本語フォントのインストール

winetricks cjkfonts

これにより、CJK(中国語・日本語・韓国語)フォントがインストールされ、MS Gothicなどの代替フォントが設定されます。

実行時の出力例:

Executing load_fakejapanese
Executing w_do_call sourcehansans
sourcehansans already installed, skipping
Executing wine regedit.exe _register-font-replacements.reg

フォントファイルのダウンロードとレジストリへの登録が完了すれば成功です。

注意: 64-bit WINEPREFIXに関する警告が表示される場合がありますが、通常は問題ありません。

フォント設定後、アプリケーションを再起動してください。

EIOTCLUBカードリーダーアプリのインストール

1. アプリケーションのダウンロード

EIOTCLUB公式サイトから、Windows版のeSIMリーダーアプリをダウンロードします。

公式ページ: SIMカードリーダー - EIOTCLUB

cd ~/Downloads
wget https://cdn.eiotclub.com/esim/pro/full/EIOTCLUB_eSIM_reader-windows-x86_64-with-lpac.zip
unzip EIOTCLUB_eSIM_reader-windows-x86_64-with-lpac.zip -d EIOTCLUB_eSIM

2. アプリケーションの起動

ダウンロードして展開したexeファイルをWineで実行します。

wine ~/Downloads/EIOTCLUB_eSIM/EIOTCLUB_eSIM_reader-windows-amd64.exe

カードリーダーの接続とデバイス認識

1. USBカードリーダーの接続

EIOTCLUBカードリーダーをUSBポートに接続します。

2. デバイスの認識確認

lsusb

EIOTCLUBカードリーダーが認識されているか確認します。通常、以下のような出力が表示されます:

Bus 001 Device 004: ID 096e:0503 Feitian Technologies, Inc. SCR301

または

Bus 001 Device 005: ID 072f:90cc Advanced Card Systems, Ltd ACR38 SmartCard Reader

デバイスIDの確認: 096e:0503 または 072f:90cc がベンダーIDとプロダクトIDです。カードリーダーのモデルによって異なります。

通常、Linux Mintではカードリーダーが自動的に認識されるため、追加の設定は不要です。

アプリケーションの起動と使用

1. アプリケーションの起動

wine ~/Downloads/EIOTCLUB_eSIM/EIOTCLUB_eSIM_reader-windows-amd64.exe

起動時の警告メッセージについて

アプリケーション起動時に以下のような警告メッセージが表示される場合がありますが、アプリケーションの動作には影響しません:

007c:err:ntoskrnl:ZwLoadDriver failed to create driver L"\\Registry\\Machine\\System\\CurrentControlSet\\Services\\winebth": c0000135
0154:err:winediag:ntlm_check_version ntlm_auth was not found. Make sure that ntlm_auth >= 3.0.25 is in your path. Usually, you can find it in the winbind package of your distribution.
0154:err:ntlm:ntlm_LsaApInitializePackage no NTLM support, expect problems

これらは:

  • winebth: Bluetooth ドライバー関連(カードリーダーには不要)
  • ntlm_auth: Windows認証関連(このアプリでは使用しない)

無視して問題ありません。アプリケーションは正常に起動します。

2. カードリーダーの認識確認

アプリケーション起動後、カードリーダーが認識されているか確認します。

正常に認識された場合:

  • カードリーダーが表示される
  • カードリーダーがドロップダウンリストにある

認識されない場合:

  • トラブルシューティングセクションを参照

3. 物理eSIMの読み取り

  1. 物理eSIMをカードリーダーに挿入
  2. アプリケーションで「読み取り」をクリック
  3. eSIMプロファイル情報が表示される

4. eSIMプロファイルの書き込み

  1. 「ダウンロード」をクリック
  2. QRコードをスキャン、またはアクティベーションコードを入力
  3. プロファイルのダウンロードと書き込みが開始される
  4. 完了を待つ

トラブルシューティング

カードリーダーが認識されない

原因1: デバイスのアクセス権限

解決方法:

# 現在のユーザーをdialoutグループに追加
sudo usermod -aG dialout $USER

# ログアウトして再ログイン、または
newgrp dialout

原因2: udevルールが適用されていない

解決方法:

# udevルールの確認
cat /etc/udev/rules.d/99-eiotclub-reader.rules

# udevサービスの再起動
sudo systemctl restart udev

# カードリーダーの再接続

原因3: Wine側のUSB認識問題

解決方法:

Wineの設定でUSBデバイスへのアクセスを確認:

winecfg

「ドライブ」タブで、必要に応じてドライブマッピングを追加します。

アプリケーションが起動しない

原因: 依存ライブラリの不足

解決方法:

# winetricks をインストール
sudo apt install winetricks

# 必要なランタイムをインストール
winetricks dotnet48
winetricks vcrun2019

プロファイルの書き込みに失敗する

原因1: カードリーダーとの通信エラー

解決方法:

  • カードリーダーを再接続
  • 物理eSIMを挿入し直す
  • アプリケーションを再起動

原因2: ネットワーク接続の問題

解決方法:

  • インターネット接続を確認
  • ファイアウォール設定を確認
  • Wineのネットワーク設定を確認

エラーログの確認

Wineの詳細ログを出力してエラーを特定します。

WINEDEBUG=+all wine ~/.wine/drive_c/Program\ Files/EIOTCLUB/EIOTCLUBeSIMReader.exe 2>&1 | tee wine-debug.log

使用感とパフォーマンス

メリット

1. Linux環境で完結

Windows環境に切り替える必要がなく、メインのLinux Mint環境でeSIMの管理が可能です。

2. 安定した動作

Wine上での動作は概ね安定しており、Windowsネイティブと同等の機能が使用できます。

3. 追加コスト不要

Windowsライセンスや仮想マシン環境が不要で、既存のLinux環境のみで完結します。

4. 物理SIMとしての安心感

申し込みから5分程度で使用可能。受け取り不要で物理SIMとして管理でき、端末の初期化時などでも再発行の手間がありません。

デメリット・制約

1. 初期設定の手間

Wine環境の構築とフォント設定に一定の知識と時間が必要です。

2. パフォーマンス

ネイティブWindowsと比較すると、起動時間がやや長くなります(体感で30秒〜1分程度)。そのため、他の作業と並行して行うのは避けた方が無難です。

3. デバイスの相性問題

すべての端末で動作するわけではありません。使用前にアプリでの確認が必須です。

実際の動作確認結果

成功例:

  • IIJmio データeSIMを申し込み
  • Redmi Note 9S: ✅ 動作確認済み

失敗例:

  • Redmi Note 11 Pro 5G: ❌ アプリで確認済み、動作不可
  • eSIMとして認識、動作不良

重要: 本番使用前にアプリで機種の動作確認を必ず行ってください。カードリーダー付属の物理eSIMでの動作確認も推奨されますが、再発行手数料が発生するため、少なくともアプリでの動作確認は必須です。

筆者の検証では、eSIM非対応端末であれば物理SIMスロットで動作する可能性が高いです。

よくある質問(FAQ)

Q1: Wine以外の方法でLinuxで使用できますか?

A: 現状、EIOTCLUBの公式アプリはWindows専用です。Linux版の公式アプリは提供されていないため、Wineまたは仮想マシン(VirtualBox、VMware等)を使用する必要があります。

Q2: カードリーダーの認識に失敗します。

A: 以下を順番に確認してください:

  1. lsusb でデバイスが認識されているか
  2. udevルールが正しく設定されているか
  3. ユーザーが適切なグループ(dialout)に所属しているか
  4. カードリーダーを再接続する

Q3: Wineのバージョンはどれを選ぶべきですか?

A: Stable(安定版)を推奨します。最新機能が必要な場合を除き、安定版が最も信頼性が高いです。

Q4: パフォーマンスはWindowsネイティブと比較してどうですか?

A: 起動時間がやや長くなる程度で、実用上の問題はありません。eSIMの読み書き速度にも差は感じられません。

まとめ:Linux環境でのEIOTCLUBカードリーダー運用

Linux Mint上でWineを使用してEIOTCLUBカードリーダーアプリを動作させることは十分に実用的です。初期設定に若干の手間はかかりますが、一度環境を構築すれば安定して使用できます。

この記事のポイント

  • ✅ Wine環境の構築は公式リポジトリを使用すれば簡単
  • ✅ デバイス認識にはudevルールとアクセス権限の設定が必要
  • ✅ 動作は安定しており、実用レベルで使用可能
  • ✅ Windows環境に切り替えることなくLinux環境で完結

推奨される使い方

  1. メイン環境がLinuxの場合: 本記事の方法でWine環境を構築
  2. 頻繁にeSIM操作を行う場合: デスクトップショートカットを作成して効率化
  3. トラブル時のバックアップ: Windows環境またはLive USBを用意しておく

今後の展開

EIOTCLUBがLinux版の公式アプリをリリースすることを期待しつつ、現状ではWine環境での運用が最も実用的な選択肢です。

Linux環境でeSIMを管理したい方、特にメイン環境がLinux MintやUbuntuの方にとって、本記事が参考になれば幸いです。

参考文献

  • WineHQ - Debian/Ubuntu公式ドキュメント
  • Wine公式サイト
  • EIOTCLUB公式サイト
  • EIOTCLUB SIMカードリーダー
  • Ubuntu Community Help - Wine
  • Linux Mint公式フォーラム - Wine関連
  • WinboatでeSIMリーダーアプリを動かそうとして失敗した話
  • EIOTCLUB物理eSIMで楽天モバイルを使う方法
Under the Snow

この記事をシェア

Twitter Facebook
前の記事 EIOTCLUB物理eSIMで楽天モバイルを使う方法|デフォルトプロファイル削除から設定まで完全ガイド 次の記事 20年超のドコモユーザーが自宅速度10Mbps以下で見切りをつけてpovo + mineoに乗り換えた話|ハーティ割引より安い月額2,860円

関連記事

ワイモバイルシンプル3徹底解析|OPPO A3 5G 1円入手と複雑な割引制度の損益分岐点

2025年10月18日 Tech

20年超のドコモユーザーが自宅速度10Mbps以下で見切りをつけてpovo + mineoに乗り換えた話|ハーティ割引より安い月額2,860円

2025年10月16日 Tech

EIOTCLUB物理eSIMで楽天モバイルを使う方法|デフォルトプロファイル削除から設定まで完全ガイド

2025年10月13日 Tech

ステータス

  • Cloudflare 読み込み中…
  • Deno 読み込み中…
  • Docker 読み込み中…
  • GitHub 読み込み中…
  • Koyeb 読み込み中…

カテゴリ

  • AI (10)
  • Cloud (1)
  • Cloudflare (3)
  • DIY・修理 (1)
  • kiroを使い倒せ (5)
  • Linux (4)
  • Tech (7)
  • Web開発 (4)
  • クラウド (3)
  • スマートフォン (2)
  • ツール・ガジェット (1)
  • ライフスタイル (1)
  • 金融 (2)
  • 特別支援教育 (1)
  • 日記 (1)
  • 発達障害と自己理解 (4)

アーカイブ

  • 2025年10月 (15)
  • 2025年9月 (13)
  • 2025年8月 (9)
  • 2025年6月 (1)
  • 2025年5月 (2)
  • 2025年4月 (2)
  • 2025年3月 (2)
  • 2025年1月 (1)
  • 2024年12月 (1)
  • 2024年11月 (1)
  • 2024年7月 (1)
  • 2024年4月 (2)

タグ

Claude AI Kiro Linux Mint Anthropic EIOTCLUB eSIM ベンチマーク 物理eSIM 自動化 Cloudflare Workers MCP Astro リリース コーディング Sonnet エッジコンピューティング Kubernetes 実行機能 ADHD 発達障害 LLM 格安SIM ドコモ povo MNP Linux 楽天モバイル SIM eSIM非対応デバイス AI IDE SaaS 料金モデル Koyeb VS Code Revolut Wise Codex Claude Code

Under the Snow

Astro 5.xとCloudflare Pagesで構築された軽量ブログサイトです。
今日も何かを発信しています。

クイックリンク

ホーム アーカイブ API ステータス このブログについて お問い合わせ クッキー設定

法的情報

プライバシーポリシー 免責事項 利用規約

フォローする

© 2025 Under the Snow. All rights reserved.

Built with Astro + Cloudflare Pages

の検索結果

0件の記事が見つかりました

検索結果が見つかりません

「」に一致する記事がありませんでした。

検索のヒント:

  • キーワードのスペルを確認してください
  • 別のキーワードを試してみてください
  • より一般的な単語を使用してみてください

検索中...

クッキーと広告に関するお願い

当サイトでは、利用体験の向上と広告配信のためにクッキー等を使用する場合があります。 詳細は プライバシーポリシー をご確認ください。